STUDER、堅実な2024年度を振り返って



STUDERはスイスの精密円筒研削盤メーカーとして、技術革新を推進し、業務効率をさらに向上させることで、世界市場における地位を向上させました。
今年の記者会見は、シュテフィスブルクにあるFritz Studer AGのスタジオから、多数の国際的なメディア関係者の前で生中継で行われました。「私たちの高い多様性のあるポートフォリオのおかげで、いくつかの市場とセクターで成長を遂げ、2024年度を堅実に振り返ることができます」と、2018年からSTUDERのCEOを務め、2025年4月1日にCOOとしてUNITED GRINDINGグループの経営に参加するイェンス・ブレヤーが語りました。ブレヤー氏は長年CSOを務めてきたサンドロ・ボタッツォ氏にCEOの座を譲りました。ブレヤー氏が強調するように、「厳しい経済・地政学的環境は特に集中的な努力を必要としました。品質に加えて、STUDERの活動は、生産性の向上、徹底したコスト管理、革新的な新技術の導入に重点を置いています。STUDERは顧客にとって信頼できるパートナーであり続け、世界的な競争に立ち向かうための素晴らしいポジションにいると考えています。」
2025年3月1日以降の新CEOであるサンドロ・ボタッツォ氏は、STUDERは世界的な市場シェアを維持し、さらに個々の国や地域でそれを拡大することができたと説明しました。また、「我々は、複合円筒研削盤市場におけるリーディングポジションを着実に拡大し続けています。新規顧客の開拓は非常に好調で、前年同期比で約43%まで増加しました。この分野で特に好調だったのは、アジアの自動車およびサプライヤー産業、工具および金型産業、工作機械産業でした。前年同様、STUDERはまた、航空宇宙分野をさらに拡大し、その強力な市場ポジションを固めることができました。全体として、受注量は想定通りで、前年の実績をわずかに下回りました。」
カスタマーケア部門の売上高が過去最高を更新
円筒研削盤の優良メーカーとして、特に北米での受注が非常に好調でした。依然として最大の販売地域であるアジアと、中南米、北欧、東欧諸国も好調な業績を記録しました。しかし、中央ヨーロッパは、特にドイツが予想を下回る結果となりました。
カスタマーケア部門は非常に好調で、2024年度も過去最高の売上高を記録した。ボタッツォCEOは、「国際的かつ多言語に対応できるサービス体制を一貫して拡大し、顧客対応を行うサービス・スペシャリストを各地に分散して配置したことが、大きな成功につながった。」と強調した。スペアパーツ事業、メンテナンス、オーバーホール、改造事業が過去最高の売上を達成し、サービス事業も前年の非常に高い稼働率を維持しました。
STUDERの成功の重要な柱は、再びその幅広いポートフォリオでした。CNC複合円筒研削盤セグメントは特に好調で、S33がベストセラーとなり、S31とfavoritCNCがそれに続きました。プレミアムセグメントでは、最新のS41の販売も堅調でした。内面円筒研削盤は、力強い売上を記録し2番目に好調なセグメントでありました。対照的に、量産用機械と汎用機の売上は予想を下回りました。
新しいfavoritCNCと革新的な研削技術
顧客の利益のために、革新的で信頼できる最新の研削技術を開発することが、2024年もSTUDERの焦点でした、とCTOのダニエル・フーバーは述べました。主な開発プロジェクトの一つは、好評を得ているfavoritCNC複合円筒研削盤の新機種でした。特に、最新のFANUC制御と「コンベンショナルモード」が特徴です。このモードは、お客様に汎用研削盤と同じように作業できるオプションを提供し、CNC機への移行を特に容易にします。その他にも、自動化オプションやより強力な研削スピンドルなど、多くの新機能が搭載されています。
もうひとつの開発テーマは、S33とS31に搭載される新しいユニバーサルW軸です。これはZ軸スライドに組込まれ、オペレーターの介入なしに、異なる長さのワークに合わせ自動的に心間を調整し研削することができます。移動可能な固定センター付き心押台と回転駆動センター付き心押台、および定寸測定装置などは、革新的な研削技術の利点を提供します。 特に、センターの圧力を直接測定することで、力を制御したクランププロセスが可能になり、最高の精度と再現性を実現し、センター圧に影響を受けやすい部品でも小さな力でクランプできるようになりました。
SmartJet®とWireDressの新しいアプリケーション®
CTOであるフーバー氏は、STUDERによって開発されたSmartJet®クーラント供給技術の業界全体での成功を喜んでいます。昨年、特に効率的で持続可能なシステムである、こ技術は、ネジ研削用の最適化や、異なる砥石プロファイル用のプラグインクーラントノズルを含め、さらに拡大されました。メタルボンドCBN砥石とダイヤモンド砥石のためにSTUDERが開発した革新的なWireDress®ドレッシングプロセスにも、新たな展開があります。「内面研削砥石のドレッシング用にWireDress®をさらに開発しました。」とフーバー氏は言います。これは、革新的な非接触式ドレッシングシステムが、同じセットアップで外径研削砥石と内径研削砥石に使用できるようになったことを意味します。
さらにCTOはまた、関連するすべてのCNCプラットフォームのC.O.R.E.への変換が成功裏に完了したことを強調しました。United Grindingグループの近代的で標準化されたハードウェアとソフトウェア・アーキテクチャは、研削盤と工作機械の操作と機能に革命をもたらしています。C.O.R.E.に基づき、当グループは今後もお客様のために最先端のソフトウェアと機能を開発していきます。
強化されたスピンドルの熟練技術
続いて、STUDERのCOOであるステファン・ストールが、製造部門の概要を説明しました。全般的に緊迫した市場状況にもかかわらず、STUDER機械事業、United Grindingグループ内の広範囲にわたる企業間活動、未来志向のプロトタイプ・システムの開発により、 製造と組立のリソースを大いに活用することができました。
戦略的に重要なスピンドルの社内ノウハウの拡大など、いくつかの最適化プロジェクトが成功裏に実施されました。自動化された非常に効率的なスピンドルシャフト生産設備のマシンの始動に加え、すべての組立工程が統合され、最先端の検査・試験装置によって強化されました。高度に専門化されたスペシャリストと強力な組立、データ分析、診断ツールにより、STUDERはグループ全体のコンピテンスセンターとして、最高水準のスピンドルを生産し、さらに開発することができます。
社内の電気事前組立も完全に近代化されました。「現在では、個々のケーブル・セットから完全に配線された複雑な電気制御キャビネットまで、非常に効率的で注文に応じたジャスト・イン・タイムの方法で製造できるようになりました」とストール氏は語りました。
さらに、社内物流インフラの包括的再編成と自動化のための集中的な計画立案が昨年完了しました。このSTUDERの一大プロジェクトの実現はすでに本格化しており、稼働は2025年12月に予定されています。
照明のLED化
STUDERはまた、2024年に自らの業務における持続可能性と効率性を高めることに尽力しました。LED照明への切り替えはほぼ実施され、業務上しようされる様々なシステムは、エネルギー効率の高い最新世代の機器に交換されました。新しい物流施設もまた、STUDERのエネルギー消費削減に大きく貢献します。
さらに、あらゆる事業分野でさらなる効率化の可能性を引き出すため、幅広いデジタル化プロジェクトが推進されています、とストール氏は強調しました。
イェンス・ブレヤー氏は最後に、テクノロジー企業としてのSTUDERの長期的な成功には、優れた訓練を受け、やる気のある従業員が非常に重要であることを強調しました。「我々は職業訓練に全面的に取り組んでいます。従業員の11%以上が実習生です。」とブレハー氏は語った。