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実績のある研削技術によるメリット

STUDERのサービススペシャリストのサポートを受けながら、受託製造業者として活躍するスイス・インクヴィルのIngold Tools社は、優れた特徴をもち実績あるSTUDERの円筒研削盤を活用しています。クラウディオ・デルメニコ(エリア営業責任者)と今後の投資計画について話すクリストフ・イェンツァー氏(左)。

信頼のおけるテクノロジー、機械、プロセスを必要としているのは受託製造業者も同じです。そうしてこそ、一点ものや少量の部品を極めて高い精度と安定したプロセスで製造することができるのです。そのため、精密加工メーカーとして知られるIngold Tools AG(所在地: スイス・インクヴィル)はSTUDERのCNC円筒研削盤に信頼を寄せています。    

 

Ingold Toolsのクリストフ・イェンツァー代表取締役は、同社の加工スペシャリストたちが長年にわたってSTUDERの円筒研削盤で素晴らしい経験を積んできたと、誇らしげに話しています。「昔ながらの駆動ベルト式の研削盤でも、スペシャリストたちは非常に優れた真円度精度と高い表面粗さ精度で工作物を加工してきました。卓越した品質を誇るSTUDERの研削盤には長年にわたり私に感銘を与え続けてきました。」信頼性の高い技術を何よりも重視するクリストフ・イェンツァー氏は、実績のある研削盤に繰り返し設備投資しています。「今も昔も、研削盤の品質は、安定した確固たるプラットフォームかどうかで決まります。そのため、我々が研削盤を調達する際には、すでに数年間にわたって使用された実績ある研削盤のみを選んでいます。経済性という観点からみても、もちろんそちらの方が非常に有利です。」と彼は話しています。同社では、2014年からの毎年の設備投資を経て、これまでに8台のCNC円筒研削盤をSTUDERから購入し、インクヴィルの加工工場で使用しています。

 

幅広い総合的な提案が契約を決めた

クリストフ・イェンツァー氏がスイス・トゥーンのSTUDERが製造する円筒研削盤を選ぶ理由は、その多種多様な提案の幅広さにもあります。「STUDERなら、当社が加工する多種多様な部品にぴったりな機械をいつでも見つけることができます」と彼は話しています。例えば、受託製造業者として活躍する同社は現在、STUDER機S21、S31、S33、S40、S41で、直径10 mm~450 mm、長さ1600 mmの工作物を加工しています。STUDERのオーバーホール部門にすべての機械のオーバーホールを依頼しました。これらの機械の中には、加工機能を追加したものもあります。例えば円筒研削盤 S21では、内径研削とネジ研削、インプロセス測定の各機能が後付けされました。このオーバーホールの際、STUDERは適格なサービスとすぐに入手できるスペアパーツによってあらゆる面でサポートしてくれたとクリストフ・イェンツァー氏は強調しています。これについてSTUDERでエリアセールスマネージャーを務めるクラウディオ・デルメニコは、「長年にわたって実績を収めている研削盤であっても、加工業者のお客様に当社のテクノロジーのメリットを享受していただけるよう努力しています。これには、当社で開発した機械システムや駆動技術だけでなく、制御技術やソフトウェアにいたるまでのニーズに対してコンサルティング、サービス、技術情報、スペアパーツを提供しています」と話しています。クリストフ・イェンツァー氏は、STUDERのサービス担当者が非常に迅速で信頼できると対応を認めています。常に迅速で専門知識をもった担当者が対応し、適格な情報を提供することで、使い古された機械でも信頼性の高い研削を実現しているのです。

 

« STUDERなら、当社が加工する多種多様な部品にぴったりな機械をいつでも見つけることができます »
Christoph Jenzer

ミクロン単位の正確さ

Ingold Toolsの加工技術者たちは、長年にわたって自社内で培ってきたノウハウと信頼性のあるCNC研削盤を組み合わせることで、卓越した精度を実現しています。クリストフ・イェンツァー氏は、その一例として高速加工用モータースピンドルのベアリングカバーをあげています。Ingold Toolsでは、旋盤加工とフライス加工を行なった後で、外径・内径の研削加工が形状精度、サイズ精度、最大2 µmという高精度で行われます。これについてクリストフ・イェンツァー氏は、「研削加工では、要求精度を実現できるかどうかは前加工にも左右される。そのため、難しい複雑な部品を加工する際には、素材から高精密仕上げまでを自社内で加工することを好んでいます。これにより、私たちはお客様に対して専門知識をもった精密加工のパートナーとしての地位を確立しています」と話しています。厳選された部品を加工する際には、インクヴィルではラッピング研磨と呼ばれる光沢研磨も行なうことができます。このように優れた実績によりIngold Tools AGは、駆動技術、機械、特殊機械製造、油圧、クランプ技術といった様々な業界で幅広く確固たる地位を確立しています。例えば、チャック技術業界向けとして、様々なメーカーの多様な機械式および油圧式チャック用に標準化された爪およびカスタマイズされた爪を製造しています。クリストフ・イェンツァー氏は、非常に高い要求にもかかわらず彼とそのスペシャリストたちが難なくこなした例として、硬質プラスチックでコーティングされたコントロールピストンをあげています。「約2umの直径精度や形状精度を達成するために、我が社ではまず、旋削加工済のブランクにフライス加工とドリル加工を施し、パートナー企業で硬質プラスチックコーティングを依頼しました。そしてその後、当社の実績あるCNC研削盤を使用して外径と内径を研削加工しました。」

 

加工能力の拡大

業界での優れた評判を確固なものとし、精密加工能力をさらに拡大させるため、クリストフ・イェンツァー氏はSTUDERのCNC円筒研削盤にさらなる設備投資を行ないました 実績あるオーバーホール済みの複合研削盤 S41は、旋回可能な砥石台に最大4枚の砥石が装備できる便利な研削スピンドルが装備されています。「この機械によって、リードタイムが短縮され、柔軟性を高めることができます。この機械のおかげで、ワンクランプで部品を完全に研削することができるようになる」とクリストフ・イェンツァー氏は今回の設備投資について話しています。これまでの7台のマシンと同様、今回もSTUDERのサービスエンジニアのサポートに信頼をおいているのは彼にとって当然のことと考えています。「これまでの満足度は非常に高い。そのため、今後もSTUDERとの協力関係を続けていきたい。受託製造業者とは、継続的に高い生産性と経済性を見据えながら業務を続けなければならない立場にあり、機械を停止させることにはいかない。そのような環境で、STUDERの機械は理想的であることが証明されています」とクリストフ・イェンツァー氏は付け加えています。さらに、Ingold Toolsのスペシャリストたちは、このCNC研削盤のプログラミング画面と操作画面に精通しています。これはさらなるメリットをもたらします。機械オペレータたちは複数の機械で問題なく作業することができるようになるからです。「そのような状況で馴染みのない他社製を導入する理由がない」とクリストフ・イェンツァー氏は話しています。こうした理由から彼はすでに9台目となる機械の購入も計画中です。

 

高い精度で有名に

1964年に工作機械業界へのサプライヤーとして創業されたIngold Tools AG社は当初、パンチング加工やスタンピング加工向け金型、ゲージ、治具、射出ノズル、特殊ベアリング部品および機械部品を製造していました。1974年、スイス・リスのOsterwalder AGが同社を買収し、株式会社に変更した後、1992年まで独立子会社として事業が続けられました。その後、Ingold Tools AGは再び独立した企業となり、現在およそ30名の経験豊富かつ有能な従業員が従事しています。事業内容には、旋削加工、フライス加工、ドリル加工、外径・内径研削、平面研削、ホーニング、ラッピング、部品組立、サンドブラスト、研磨、レーザー彫刻など多岐にわたる。同社では、完全自動化された多軸旋盤やフライス盤などの最新鋭の複合加工機で、鉄鋼、非鉄金属、軽金属、プラスチックから複雑な部品を製造しています。すべての部品は個々の図面や3Dデータに基づいて、高精度、柔軟性、短納期で製造される。同社はISO 9001および14001認証を取得しています。ご要望に応じて、3Dデータに応じたサンプルをもとに部品の再現および製造も行っています。熱処理および表面コーティングは、パートナー企業として取引のある下請企業に外注しています。

 

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