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STUDER 成功と成長を示した2023年度

世界的に厳しい投資環境にもかかわらず、精密円筒研削盤メーカーは多くの地域で売上を伸ばし、市場シェアを拡大することができました。

Fritz Studer AGが行った今年の記者会見は、「Sound of STUDER」をモットーに開催されました。STUDERの最高経営責任者(CEO)イェンス ブレアー(Jens Bleher)は、シュテフィスブルクで開催されたこの会見で、20か国以上から参加したおよそ65人のジャーナリストに対し、「創立111周年の年を経て、2023会計年度も順調に成長路線を歩み、売上を大幅に伸ばすことができました」と語っています。世界的に厳しい投資環境にもかかわらず、精密円筒研削盤メーカーは再び売上を伸ばすことができました。特に米国や中国といった重要な市場では、好調な成長を示しました。例年と同様、地域別にはアジア地域が最大の売上高を示し、次に中央ヨーロッパ、北米が続きました。

製品開発と現地インフラストラクチャへの一貫した投資が成果を上げています。「私たちは有言実行の精神を重んじ、市場での地位を拡大し、長期的な視点で持続的に発展し続けられるように自らを強化するために時間を費やしてきました」と同氏は述べています。STUDERは、世界の多くの地域で市場シェアを伸ばすことができました。カスタマーケア分野でも売上記録を更新し、好調に推移しています。ブレアーは、年末に向けて受注状況が再び平均を上回って推移していることは、次期年度の見通しも極めて明るいものであるとみなしています。

ドイツ、中国、その他のアジア諸国などの個別市場では、受注が伸び悩みました。ただし、世界の他の地域では、成長路線を歩みました。「多くの国で喜ばしい成長を遂げ、一部の国では受注記録を更新しました」と STUDER の CSO、サンドロ ボッタッツォは語っています。

 

中小企業に信頼されるSTUDER

顧客セグメントに関しては、航空宇宙産業分野が再び最大受注の増加をもたらしました。現在この分野での受注は、軟調な自動車産業分野や関連サプライヤー分野を追い越しています。「工具製造」分野は、引き続き予想を下回りました。前年同様、個別部門で最大の分野となったのは「精密エンジニアリング」分野であり、受託製造業者が大半を占めています。「弊社の研削盤は中小企業で多大な信頼を獲得しており、この分野が弊社にとって引き続き戦略的に重要であることは大変喜ばしいことです」とボッタッツォは説明しています。「工具製作、金型製造の各分野も極めて高水準で安定して推移しました。半導体産業分野における精密円筒研削盤の需要も高まり、好調な傾向にあります。

カスタマーケアが記録的な売上を達成

精密円筒研削盤分野で世界をリードするメーカーであるSTUDERにとって、多様な要件に対応した幅広いポートフォリオは、2023年においても成功のための重要な柱です。CNC複合円筒研削盤の販売は非常に堅調でした。販売台数が最も多かったのはS33 で、次に favoritCNC、S31、S41、favorit が続きました。「内面円筒研削盤に関しては、S131の販売台数は当社史上3番目に多い年でした」とボッタッツォは語ります。新型内面円筒研削盤S100の販売も非常に好調で、販売目標を上回りました。

カスタマーケア分野の成長は非常に好調であり、「この分野では、2年連続で過去最高の売上記録を達成しました」とボッタッツォは説明します。これは、メンテナンスやサービス、スペアパーツやオーバーホールに至るまで、すべての事業分野に影響します。東ヨーロッパでの発展は特に好調で、現在STUDERは、チェコ共和国、スロバキア、ポーランド、ハンガリーで自社専門スタッフがサービスを実施しています。

STUDERは、全世界で開催された約30の見本市や展示会に出展しました。北京の CIMT、ハノーバーの EMOのほか、UNITED GRINDING North Americaの展示会は大好評を博しました。STUDERは、EMO 2023 見本市で、新型ローダー insertLoadroboLoaduniLoadを搭載した3つの自動化ソリューションを初公開しました。

スピンドルと自動化における重要な開発

2023年には、STUDERは顧客に利点をもたらす最先端研削技術を重点的に開発・発展させて参りました。生産型円筒研削盤S36は、eモビリティ関連のコンポーネントに特に適した機械です。「弊社の顧客は現在、S36で制限なくあらゆる種類のスピンドルと自動化ソリューションを使用することができます」と最高技術責任者(CTO)であるダニエル フーバーは語ります。25 kWの高出力な新型研削スピンドルにより、特に幅の広い最大160 mmの研削砥石を使用することができます。さらに、CBN(立方晶窒化学ホウ素)砥石またはダイヤモンド砥石による高速研削オプションも追加されました。完全互換性のあるeasyLoad および uniLoadローディングシステムを搭載することで、S36を使用して生産の高度な自動化が可能になります。

フーバーは、新型S100 内面円筒研削盤の成功について、喜ばしく語っています。この製品は外径研削でfavoritCNCと同様、内径研削のエントリーレベル分野での地位を確立しました。昨年の開発により、新型の高性能ドレッシングスピンドル (Ø 58) をS100で使用することが可能となり、将来的には他のモデルでも使用できるようになります。

定評のfavoritCNCの後継機には、期待を上回る新機能が搭載されています:例えば、研削ヘッドの角度表示、好評のQuickSetセットアップ機能、プログラミングなしで効率的にワークの手動研削を可能にする手動研削サイクルなどです。

C.O.R.E.新機能の発表

2023年の開発で特に焦点となったのは、UNITED GRINDINGの革新的ハードウェアおよびソフトウェアアーキテクチャであるC.O.R.E.でした。「C.O.R.E.タッチ コントロールパネルは、これまでにない直感的な操作性を誇り、オペレーターがワークステーションを定義して保存できるカスタマイズ可能なインターフェイスも間もなく使用可能になります」とフーバーは説明しました。新型センサーや機器だけでなく、データ収集と評価にも焦点を当てて開発が進められました。

続いて最高技術責任者(CTO)は、今後の展望について語りました。「サステナビリティという課題は、弊社にとって引き続き重要なテーマです」と述べます。STUDERが開発したSmartJet®冷却システムは、研削プロセスにおけるクーラントとエネルギー消費量を既に大幅に削減することに成功しており、この分野に新基準を打ち立てました。フーバーは、半導体分野でもこのシステムが大きなポテンシャルを発揮すると考えています。eモビリティと太陽光発電分野では、高性能半導体の需要が高まっています。STUDERのCNC複合円筒研削盤S41には機内X線測定ヘッドが搭載されており、ウェーハ製造における標準を確立するとともに、市場で非常に高い実績を収めています。

「長期的には、最新技術を備えたインテリジェントで効率的な研削盤を提供する機械メーカーのみが、将来的に成功を収めることになります」と、フーバーCTOは昨年の広範にわたる開発活動を要約しています。

STUDERは競争力のある納期を保証します

STUDERのCOOであるシュテファン シュトールは、事業分野の概要を説明します。「2023年には、生産される機械は、より複雑なシステム機の生産比率が高まりました。」と同氏は述べています。積極的な調達管理とグローバルサプライチェーンの正常化により、受注は計画通りに進捗しました。ストールは、UNITED GRINDINGグループ内での共同生産戦略の導入により、STUDERの生産能力が効果的に活用されたことを高く評価しています。

主な運営プロジェクトには、自動化された加工装置や最新鋭​テストベンチへの設備投資が含まれています。STUDERは、高品質のスピンドルを自社で製造している数少ない研削盤メーカーです。このため、これらの戦略的に重要な機械コンポーネントの専門知識が特に拡張されました。専門知識の拡張に取り組む条件、そしてさらなる成長を促すための条件として、シュテフィスブルクとビール拠点にある内径研削技術コンピテンスセンターに対してさらなる投資が行われ、包括的な構造的および物流的対策が講じられました。

STUDERは地域暖房ネットワークに接続しています

サステナビリティという課題も非常に重要な役割を果たしました。「シュテフィスブルクの拠点は、2023年2月から地元の地域暖房ネットワークに接続されているため、すべての建物が環境に配慮した方法で暖房されています」とストールは説明しています。さらに、全建物の照明のLED化もほぼ完了しています。全体的なエネルギー消費量とCO2排出量は大幅に削減されました。

COOは来年度の見通しについても語りました。「近年の大規模投資の後は、弊社の物流プロセスと倉庫インフラの更新期が迫っています」とストールは述べています。このプロジェクトで重要となるのが、コンテナ倉庫が直結された中央物流ハブです。完全自動化された保管システムによる効率の向上により、機械全体の生産とスペアパーツの処理に多大な効果をもたらします。

最後に、イェンス・ブレアーは、テクノロジー企業にとってよく訓練された従業員が重要であることを次のように強調しています。彼は、著名なSwissSkills技能競技大会での成果についても非常に喜ばしく受け止めています。昨年は、STUDERの職業訓練生であったルイス ザルツマン (1位 デザイナー/EFZ部門) とノア・ロッセル (2位 オートメーションエンジニア/EFZ部門)が圧巻のパフォーマンスで金メダルと銀メダルを獲得しました。「STUDERは、3年連続でWorldSkills国際技能競技大会に参加しました。大会での成果についても非常に喜ばしく受け止めています。当社の職業訓練全体の長年にわたる一貫した取り組みが正しかったことを裏付けるもだと思います」とブレアーCEOは語っています。
 

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